いつもYAMAPをご利用いただき誠にありがとうございます。
この度は、希少植物の投稿制限に関する運用の変更についてお知らせいたします。
変更内容
制限対象の植物に関する変更点
変更後:盗掘が要因で危機に瀕している希少植物(対象リストはこちら)
制限内容の変更点
活動日記に希少植物の写真が投稿されている場合の制限方法を以下の通り変更します。
変更後:「写真の非公開」に変更
運用の変更と周知の強化について
制限は依頼ベースとし、強制非公開などの対応はいたしません。希少植物に関する問題をユーザーさんに広く知っていただけるよう、以下の取組を実施します。
・活動日記へ注意喚起を掲載
・該当の希少植物を含んだ活動日記を投稿した場合に通知を送る
変更の経緯について、詳しくは以下をご一読ください。
これまでの運用
見直しのきっかけ
これまでYAMAPでは、生物多様性の保全の観点から、活動日記に希少植物が投稿されている場合は、レッドリストで指定された絶滅危惧II類(VU)以上のすべてを対象に撮影場所の非公開をお願いしておりました。
その運用に対し、ユーザーの皆さまからはもっと厳しい制限を求める声がある一方で「盗掘って本当に行われているの?
」「草花を共有する楽しさを奪わないでほしい
」「盗掘する人はYAMAPがなくても場所を知っているのでは?
」という疑問の声も多く寄せられていました。
これらの疑問に対し、希少植物の専門家として第一線で活躍し、レッドリストの選考にも携わるお二方のご協力を得て、制限の対象となる植物のリストを見直しました。
専門家へのインタビュー記事はこちらをご覧ください。
希少植物の保護と登山者の情報公開の是非|瀬戸口・京大教授に聞く、日本の山野草が加速度的に減る理由
盗掘より深刻なシカ食害|矢原・九大名誉教授に聞く、山の希少植物の現状
対象植物の変更の経緯
結論として、60年代に起きたブームと比較し盗掘自体は減少しているものの、残念ながら現在においても山採業者が存在し、違法(または非合法)な流通経路で取引が行われていることが分かりました。一方で、現在は栽培が可能となり、盗掘の対象ではなくなっている希少植物もあるようです。
同時に、現在社会問題ともなっている鹿による食害や、ソーラーパネルなどの開発による環境変化が、希少植物にとって大きな脅威となっていることも分かりました。
このように希少植物を取り巻く様々な状況を受け、盗掘対策のために一律にすべての希少植物の投稿を規制するのではなく、盗掘が要因で危機に瀕している希少植物に的を絞って制限の対象とすることにしました。具体的な対象植物については専門家と慎重に協議を重ねて選考いたしました。
制限内容の変更の経緯
これまで希少植物を含んだ活動日記に対しては「撮影場所を隠す」設定をお願いしてきましたが、前後の写真から場所が絞り込まれる可能性があるため、今後は「写真の非公開」をお願いさせていただきます。
YAMAPだけで情報を伏せても山採業者は多くのネットワークを持っているとのことで、法規制の強化など社会的な仕組みを変えない限り、盗掘の被害を完全に防ぐことは難しいと考えられます。
しかしながら、YAMAPで簡単に希少植物の情報を探せる状況は防止しなければならないと考えております。
草花を純粋に楽しんでいただいているユーザーの皆さまには大変心苦しいお願いとなりますが、上記運用へのご理解とご協力をお願いいたします。
この制限についてはあくまでご依頼ベースとなります。運営側がコミュニティに介入し制限を科すのではなく、希少植物の問題についてお一人お一人に考えていただき、ご判断をいただくことを尊重したいと考えております。
運用の変更と周知の強化について
活動日記の編集画面に希少植物に関する注意喚起を掲載いたします。
また、希少種であることを知らずに投稿してしまうケースを防ぐために、該当の希少植物を含んだ活動日記を投稿した場合は、非公開をお願いする案内をお送りする仕組みも進めていきたいと考えております。
今回、専門家とのお話の中で、まずは私たち一人一人が関心を持つことが、希少植物を脅威から守るための一歩であるということを学びました。
YAMAPとしても自然を守るための発信を積極的に行い、将来的には盗掘だけではなく、食害など幅広い視点での脅威に目を向けた取り組みができればと考えております。
この問題に関し、ご意見やアイデアなどありましたら、ぜひ要望フォームへお寄せください。
ユーザーの皆さんと一緒により良い未来に向けて前進をしていけたらと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。